こんにちは~池さんです(#^^#)
本日のテーマはこちら!
【スクールカウンセラーに聞いてみた!】不登校を支えることの苦悩と覚悟
あなたは不登校と聞いてどんなイメージを持ちますか?
一昔前まで「不登校は怠けだ!」「甘えているだけ」「親のせい/先生のせい」など世間から厳しい目で見られることも珍しくありませんでした。
実際、不登校の原因は容易に特定することはできず、不登校の数だけストーリーがあるので、何か共通した「原因」を見つけたくなる気持ちも分かります。
しかし、不登校の児童生徒や保護者といった当事者がなぜ不登校になったのか分からずに苦しんでいたり、周りに悩みを相談できずに一人抱えてしまったりするケースも多いです。
ただ、最近は不登校のイメージや捉え方が少しずつ変わってきており、「公教育に乗れない子」ではなく、「公教育に乗らない子」も増えてきました。
多様性が叫ばれる時代において、不登校も1つの生き方という見方もできるようになってきました。
今回は、この不登校をテーマとして、学校臨床を通して私が感じたことをお話しようと思います(*’ω’*)
この記事は、以下のような人におススメです。
・スクールカウンセラーが不登校支援にどう関与しているのか気になる方
・これから不登校児童生徒や保護者を支える上で参考にしたい方
スクールカウンセラーの仕事については、以下の記事をご参照ください。
【まずは確認!】不登校とは?
まず始めに、不登校の定義を確認しておきましょう。
不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたものである。
引用先:文部科学省
つまり、病気や経済的な理由をのぞいて年間30日欠席した場合に不登校となります。
30日欠席って意外と少ないと思いましたか?それとも多いと思いましたか?
私は正直少ないと感じました。
というのも、月に3~4日欠席したら不登校の定義に入ってしまうのです。
これは1つの物差しでしかないので、30日という日数は無視しても良いかもしれません(自分から質問しておいて恐縮ですが💦)。
簡単にまとめると、何かしらの理由で学校から足が遠のいてしまっている状態が不登校なのです 💡
子供の登校渋りの取り扱いについて、以下の記事に詳しくまとめたので、ご一読ください。
【もう少しじっくり見ていこう!】不登校の現状とは…
では、続いて不登校児童生徒の現状を見てみましょう。
文部科学省による令和元年度の不登校に関する統計は以下になります。
・小・中学校における不登校児童生徒数は181,272人(前年度164,528人)であり,前年度から16,744人(10.2%)増加。在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は1.9%(前年度1.7%)。
・過去5年間の傾向として,小学校・中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加している(H26:小学校0.4%,中学校2.8%→ R元:小学校0.8%,中学校3.9%)。
・不登校児童生徒数が7年連続で増加,約56%の不登校児童生徒が90日以上欠席しているなど,憂慮すべき状況。児童生徒の休養の必要性を明示した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の趣旨の浸透の側面も考えられる。
不登校児童生徒の人数は年々増加しており、その半数が年間90日以上(登校日数の約半数)欠席しているということです。
一度不登校になったら再び学校に安定して登校することは容易ではないと言えそうです。
私もスクールカウンセラーで不登校児童生徒や保護者の面接をする機会が多いですが、不登校になった理由、支援方針、学校の資源、保護者や教員のサポート体制など様々なので状況に合わせた臨機応変な対応が必要になります。
調査結果からは,子供たちが様々な悩みを抱えたり,困難な状況に置かれていたりする状況が見受けられ,周囲の大人が子供たちのSOSをどのように受け止め,組織的対応を行い,外部の関係機関等に繋げて対処していくかが重要である。
このため,共通する施策として,個々の児童生徒の状況に応じた必要な支援や,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー,関係機関との連携による教育相談体制の充実を推進する。また,未然防止と早期発見・早期対応の取組や家庭・地域社会等の理解を得て地域ぐるみで取組を推進する。
私は、不登校児童生徒の自宅に家庭訪問に行ったり、本人にお手紙や交換日記を書いたりしたこともありました。
中々現状が変化にしないことに保護者や教員が疲弊し、焦燥感を抱く姿もたくさん見てきました。
スクールカウンセラーとしても長期的な支援を覚悟するくらい簡単には事が運ばないことを知っています。
やはり不登校児童生徒を支える保護者と教員を応援し、一緒に悩んで気持ちを揺さぶられながらできることを一緒に探していく姿勢が欠かせません☺
他にも、スクールカウンセラーとして働く中で感じることを、以下の記事でも話しているので、ぜひ読んでみてください。
【池さんの個人的意見】不登校支援を経験して思うこと
ここからは個人的な不登校に対する意見を述べたいと思います。
私自身は、不登校のすべてが悲劇だとは思っていません。
不登校で自分を守っているようにその子にとっての1つの対処法であったり、実は裏に家族関係や夫婦仲など別の問題を考えるためのきっかけだったり、自分とは合わない環境からただ離れただけだったり色々な背景があるためです。
学校に行くことが当たり前ではなくなってきた世の中の風潮があって、不登校児童生徒が安心して学校を休めるようになったとも捉えられます。
だからといって支援が必要ではないと言っているわけではなく、何も対応しないのは筋違いでしょう。
ただ、学校に行かないことで人生をどう生きていくかは子どもも保護者も考えていくことは大切です。
私も含めて、親世代は中学までは「学校に行く/行くべき」選択肢しか知りません。
中学まで不登校でも、高校や大学には行ける人もいます。中学生までは競争社会ですが、高校からは自分にあった学校が選べるので、自分のペースで無理なく通える人も増えるのでしょう。
大事なのは、人生という長い視点で見たときに現状をどう捉えて卒業までに何ができるかを考えることだと思います。
その子の主体的な声に耳を傾け、一緒に悩んで、時間がかかってもいいから本人のやりたいことを見つけようという忍耐強さを周囲の大人は持ち合わせることが大切です。
かなり根気と労力が必要ないので、もし疲れたときにはスクールカウンセラーやお近くの教育相談センターやカウンセリングルームに相談されてみるのも良いでしょう 💡
子供にとっての居場所の機能・役割について、以下の記事も参考になるでしょう。
まとめ
本日は、【スクールカウンセラーに聞いてみた!】不登校を支えることの苦悩と覚悟についてお話しました。
不登校の児童生徒数は年々増加傾向にあり、長期欠席する子どもも多くなってきました。
国を挙げて様々な支援や対策を講じているところですが、中々うまくいっていないのが現状です。
私自身もスクールカウンセラーをやっていて不登校に悩む児童生徒や保護者、教員が増えていることを実感しています。
不登校は中長期的な支援が必要なので、義務教育内で改善することが難しいケースもあります。
そんな時に大切なのは、「学校に行けない/行かないという選択肢を選んだ場合、今後どのように生きていくか」を時間をかけて家族や支援者と一緒に考えていくことです。
「まだ先のことなんて考えられないよ…」と子どもは言うかもしれません。
もちろん学校を休みながら本人のペースで考えていけたらいいですが、義務教育が終わると「学校」という大きな支援者とのつながりが切れてしまいます。
なので、中学卒業までを1つの区切りとして見て、それまでにできることを考えていくと良いと思います。
不登校の子どもを抱える保護者も常に子どもの将来に不安を抱え、焦燥感を抱いて疲れ切っていることがあります。
どうか無理せず周りに相談できる人を探してみてください。
もしそれが難しいのであれば、学校内外にあなたを支えてくれる人はたくさんいるので、一度スクールカウンセラーや学校の教職員、地域の教育相談センターに連絡してみてください 😀
本日のお話は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日も素敵な1日をお過ごしください。池さんでした(#^^#)
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