【事実】カウンセリングや心理療法って本当に効果があるの?(前編)

こんにちは~池さんです(#^^#)

先日、カフェで読書をしていたら高校生らしき男女数名が大声でしゃべっていて合計3回店員に注意されていました。どちらの気持ちも分かるようなせつない気持ちになりました💦

本日のテーマはこちら!

【事実】カウンセリングや心理療法って本当に効果があるの?(前編)

多くの人が疑問を持つであろう内容だと思います。

私たちセラピスト側も自信を持って「効果があります!」と言える人は多くないのではないでしょう。

これは実際にカウンセリングや心理療法を受けたクライエント側の評価が参考になるからです。

では、実際にカウンセリングや心理療法を受けたことのある人はどのように評価したのでしょうか。

これからカウンセリングを受けようと思っている人、既にカウンセリングを受けたことのある人や今まさにカウンセリングを受けている人、カウンセリングに全く興味ない人にも読んでほしい内容です😊

【事実】カウンセリングや心理療法って本当に効果があるの?

これはクライエント、セラピストどちらも気になる疑問ではないでしょうか。

カウンセリングって悩み聞いてもらうだけでしょ?それだけで解決するものなの?

 

友人がカウンセリングに通ってて私も紹介されたけど、いくらかかるものなのかしら…

 

このようにカウンセリングの有効性や費用など不透明な部分が多いので、足を運びにくいと感じているクライエントは少なくないでしょう。

今回は、カウンセリングの効果と費用、終結(カウンセリングの終了)までの期間について研究で明らかになったデータを基に解説していきます。

まず、前編としてカウンセリングの効果についてお話していきます。

いつもと比べて硬い文章や数字など専門的な文言が出てくるので少々読みにくいと思いますが、ご容赦ください 😥 

カウンセリングの効果

1つ目に「カウンセリングの効果」についてお話します。

実際にカウンセリングに通う時に重要なのは、「カウンセリングにかかってどんな良いことがあるのか」ということだと思います。

この問いには、すでに数多の研究がされており、大まかな結論が出ています。

カウンセリングは効果があり役に立つ

結論から言うと、カウンセリングや心理療法は効果があることが多いです。

セラピーをまったく受けない人たちに比べて、セラピーを受けるクライエントは、時間の経過とともにより改善する傾向があり(Lambert and Ogles,2004)、それが偶然によってもたらされたのでないことは、ある程度確かである。

引用文献:ミック・クーパー著『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』

これは海外の研究ではありますが、カウンセリングを受けた方が受けないよりも効果があることを示しています。

では、何をもって”効果がある”と言えるのでしょうか。もう一つの研究を見てみます。

Kingと共同研究者(2000)による研究では、鬱の成人への最長12週間までの非支持的カウンセリングと一般の地域医による通常の診療との効力比較した。「ベック抑うつ尺度(BDI):鬱に対する一般的な尺度で、スコアが高いほど鬱の症状が大きいことを示す」による、アセスメント時と4か月後のフォローアップ時のスコアはアセスメント時には両郡がほぼ同程度の鬱のレベルを示していたが、4か月後、カウンセリングを受けた郡は、通常の地域医の診療を受けた郡よりも、鬱の評定値の大幅な減少を経験していた(通常の9.3ポイントの減少に対し、13.9ポイントの減少)。両郡のがその他すべての側面においてほぼ同一条件だったことを考えると、この変化は、非支持的カウンセリングを受けたことによる効果であるとある程度確信がもてるのである。

引用文献:ミック・クーパー著『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』

つまり、「質問紙や評価尺度と呼ばれる目に見えない気分の変化を数量化したデータをもとに、その数値の増減をもって効果の有無を検証した時、カウンセリングを受けたことでカウンセリングを受けなかった時よりも統計的に偶然とは言えないほど明確な効果をもたらした」ことが明らかとなったのです。

これは鬱という症状が緩和される度合いが大きいことを明らかにしていますが、実際にはどのように生活が豊かになったか、楽になったか、自分らしく生きているかなど別の視点も大切ですが、今回は症状の改善という点でカウンセリングの有効性について取り上げてみました 💡 

カウンセリングで状態が悪くなることはないのか?

では反対に、カウンセリングや心理療法を受けることで症状悪化することはないのでしょうか。
これもすでに研究が進んでいるので、見てみましょう。

5~10%のクライエントー薬物依存に対するセラピーの場合は10~15%(Lilienfeld,2007)-がセラピーを通して悪化し、この割合は、セラピーを受けない統制群における5%未満という悪化率よりも高いことが分かっている(Lambert and Ogles,2004; Levy etal,1996)。ある最近の研究でも、約2割のクライエントは、受けたサイコセラピーが有害、あるいは問題を含んでいたと指摘されている(Levy etal,1996)。

引用文献:ミック・クーパー著『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』

特にサイコセラピーにおけるクライエントの傷つきが著書では取り上げられていますが、以前の記事でお伝えしたとおり、カウンセリングの中で自分自身に向き合うことを重視する心理療法があります(参考記事:【実録】クライエントとセラピストの「カウンセリング」に対する3つの認識の違い

要するに自分の弱いところやこれまで無意識に抑え込んでいた感情や記憶に目を向ける工程があるため、クライエントにとって心理的負担はどうしてものしかかります

短期的に見るとそれはしんどいことですが、長期的には症状の改善に繋がることが多いので、途中でカウンセリングを辞めてしまったことによる症状の悪化があったのではないかと思います💦

カウンセリングを途中で辞める人はどうして?

また、カウンセリングを途中で辞めることについても研究がされているので、見てみましょう。

クライエントが最後に予定していた面接に来ない、あるいはセラピストが大丈夫であると考える前にサイコセラピーをやめてしまう場合、そのクライエントはドロップアウトしたと定義することができる(Pekarik,1992)。このように定義した場合、研究では、全クライエントのうち約半数がドロップアウトし(Wierzbicki and, Pekarik,1993)、(中略)しかし研究からは、セラピストや自分の進展に不満があるためにサイコセラピーをドロップアウトするクライエントは約3分の1だけである、ということが示されている。他の3分の1は、自身の問題が十分に改善されたと感じたから、そして最後の3分の1はお金や時間がないといった、クライエント側の制約によるドロップアウトだった(Pekarik,1992)

引用文献:ミック・クーパー著『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』

実際にカウンセリングを途中で辞退する人の中には、カウンセリングの効果に不満がある人、効果が見られた人、経済的・時間的に余裕がない人が同程度いるということが明らかとなったのです。

一言で「カウンセリングを途中でやめてしまった」と言っても、内容で見るとカウンセリングに不満を持って辞退した人は、全体の3分の1程度であるということです。

カウンセリングはクライエントとセラピストの共同作業なので、どちらかが協力関係を切ると必然的にカウンセリングは中断してしまうのです。

私もこれまでクライエントとの中断を経験しましたが、長期的に見ればクライエントがカウンセリングの中で力を蓄えていて、「実生活では適応的な環境を選んで何とかやっている」という一報を聞いてから、「中断に対してモヤモヤしていたのは自分だけで、自分とのカウンセリングは何かしら役に立ったんだ」と思うようになりました 😀 

まとめ

本日は、【事実】カウンセリングや心理療法って本当に効果があるの?(前編)というテーマでお話をしました。

カウンセリングにどのくらいの効果があるのだろうと疑問に思っている人が多い中で、その効果を研究している文献を引用して解説しました。

結果的には「カウンセリングは心理的安定に一定の効果がある」ことが研究から明らかとなっている一方、実際にある心理療法ではクライエントに傷つき体験を残し、状態が悪化している例もあることが分かっています。

カウンセリングを中断するケースもありますが、その中でもカウンセリングに不満を持っている人は中断した人の約3分の1であり、残りはそれまでのカウンセリングですでに状態が改善した人と、時間とお金の問題でカウンセリングを継続することが難しくなったという人です。

このように見ると、カウンセリングに絶対的な”良い”効果があるとは明言できませんが、多くの先行研究から導き出された1つの回答としては、「セラピーは役に立つ」ということです。

次回は、カウンセリングにかかる費用と終結(カウンセリングの終了)までの期間についてお話したいと思います 💡 

 

本日のお話は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございます。

今日も素敵な1日をお過ごしください。池さんでした(#^^#)

ではまた明日お会いしましょう😊

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