【分かりやすく解説】ペアレント・トレーニングって何をするの?

こんにちは~池さんです(#^^#)

お鍋が美味しい季節になりましたね✨今週は3日もお鍋でした(笑)

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【分かりやすく解説】ペアレント・トレーニングって何をするの?

臨床活動をしている中で、「子どもの関わり方や叱り方、褒め方について私自身が勉強したいんです」という声を挙げている保護者に度々お会いします。

誰もが親になるのは初めてですし、分からないことだらけで試行錯誤しながら日々子どもたちと接していることでしょう。

「子育てに正解はない」と言われますが、正にそうなのだなと学校現場で働いていて実感しております。”こうしたらいい”、”こうしてはいけない”というのは一般化できるものではなく、目の前の子どもに当てはまったものが「正解」なのです。

今回は、子育ての仕方に関するお話です。ペアレント・トレーニングという近年注目されている保護者が子どもの行動にどう対応すると良いかのヒントをくれる活動を紹介したいと思います。

今回、参考にした書籍は上林 靖子監修の『発達障害の子の育て方がわかるペアレント・トレーニング』です。

ペアレント・トレーニングとは?

ペアレント・トレーニングとは、子育てに悩んでいる保護者(両親)が子どもの行動への対応を学ぶことです。子どもの性格ではなく困った行動に注目し、行動の改善を目指すところがポイントです。

また、ペアレント・トレーニングに参加することで子どもの行動や親子関係を見直すチャンスになります。

ペアレント・トレーニングは、2週間に1回、保護者が集まり、全10回のセッションを行います。

元々はADHD(注意欠陥多動性障害)への対応方法として開発されたプログラムですが、他の発達障害への対応についても注目されています。

ペアレント・トレーニングってどんなことをするの?

ペアレント・トレーニングでは、2~3人のリーダー(臨床心理士や保育士など)と4~8人の3~10歳の子どもを持つ保護者が参加し、90分程度子どもの対応の仕方や学び、保護者同士で話し合い、子育てへ実践するという一連のプログラムを実施します。

同様の悩みを持つ人たちが集まり、子どもの対応や関わりを学び、各家庭で困っている場面とその時のやり取りを具体的に話します。そして、ペアレント・トレーニングの考え方に基づき、対応を実演します。その後、実演してみた感想を話し合います。そして、それぞれの過程で実践し、次回のペアレント・トレーニングで振り返りを行います。

ペアレント・トレーニングのプログラムって何をするの?

では、実際にペアレント・トレーニングの中身を見ていきましょう。

先ほどお伝えしたように、ペアレント・トレーニングは全10回のセッションを行います。

ペアレント・トレーニングを実施している機関や施設により多少違いはありますが、今回はその中で1例を紹介したいと思います。

以下が全10回のプログラムになります。

①行動を分ける
②褒める
③注目しない
④注目と無視
⑤指示をする
⑥選ばせる
⑦チャートを作る
⑧制限する
⑨連携を取る
⑩まとめ

それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

①行動を分ける

第1回目のセッションでは、ペアレント・トレーニングの始まりとしてお互いにあいさつ、自己紹介、アイスブレーキングなどをして場に慣れます。リーダーからペアレント・トレーニングの全体の流れや主旨を伝え、参加している保護者が共通認識を持ちます。

場が和み、緊張がほぐれたところでペアレント・トレーニングの本題に入ります。まず始めのセッションは、「行動を分ける」です。

子どもの日頃の行動を、「好ましい行動」「好ましくない行動」「許しがたい行動」の3つに分類分けします。後ほど詳しく解説しますが、これら3つの行動に合わせた対応を学んでいくため、最初のこの行動の3分類が重要になってきます。

ここでポイントになるのが、あくまで子どもの”行動”に注目するため、「静かにしない」「言うことを聞く」などの”状態像”で分けないことです。

「ご飯のあとに自分で後片付けをする」「友達のことを手で叩く」など具体的かつ数値化できる(何回など)動作にすると良いでしょう。

②褒める

第2回目のセッションは、「褒める」です。第1回目で子どもの行動を3分類に分けられたら、まず「好ましい行動」へのアプローチを学びます。

子どもの好ましい行動に対して具体的かつシンプルに、子どもの目線に合わせて表情をにこやかに明るい口調で声掛けをしましょう。子どもが好ましい行動を始めた瞬間に褒めることがポイントです。

この時の「褒める」とは、以下のような関わりになります。

・仕草を見せる(手を振る、笑顔を見せる)
・励ましの声掛けをする(「応援しているよ」「大丈夫だよ」)
・ヒントを出す(「何か忘れてるぞ~」「あと1つは何でしょう?」)
・子どもの行動の経過を優しく伝える(「ここまでできたね」「あと3回で終わるよ」)
・感謝する(「〇〇してくれてありがとう。またおねがいね」「お手伝いしてくれてママ助かったよ」)
・スキンシップをとる(「ハグをする。ギュッと抱きしめる」「頭をなでなでする」)

③注目しない

第3回のセッションは、「注目しない」です。注目とは、子どもの行動に対する反応のことを指します。この注目には、肯定的な注目と否定的な注目の2種類があります。

肯定的な注目とは、②で述べた”褒める”反応のことです。一方、否定的な注目とは、怒る(「こらっ、〇〇しちゃダメでしょ」)、不満を言う(「もうちょっと〇〇してよ」)などネガティブな感情を伴った対応のことを指します。

どちらの注目も子どもにとっては保護者の気を引き付ける効果があります。保護者が肯定的な注目をせずとも、否定的な注目を与えるなら子どもはその行動をやめようとはしません。

子どもにとって好ましくない行動を減らすには「注目を与えない(反応しない)」ことが大切です。つまり、好ましくない行動には見て見ぬふりをする、知らんぷりすることです。横目で見つつ、好ましくない行動は無視します。

そして、好ましくない行動をやめたときにはすかさず褒めます。保護者にとっては好ましくない行動に反応せずほったらかしにするのは忍耐が必要ですが、そこは毅然とした態度でいることが大切です。

④注目と無視

第4回のセッションは、「注目と無視」です。これは②と③の実践を繰り返すことを示しており、これがペアレント・トレーニングの基本的な関りになります。

また、②と③を効率的に実践するためにアクションプランを作成すると良いでしょう。
アクションプランとは、好ましくない行動をいつ無視するか、いつ好ましい行動を褒めるかの計画書です。改善したい行動がいつどこで起き、どんな行動を変えたいのか話し合い、プランに明記します。それぞれの行動を4~5つ程度列挙し、その行動が起こったときの保護者の具体的な対応を決めておきます。

また、注目しないで我慢するための保護者のイライラ対策や上手くいったときの褒め方の練習なども事前にしておきましょう。

⑤指示をする

第5回目のセッションは。「指示をする」です。保護者から子どもへの言葉かけのポイントを解説します。

保護者が子どもに指示を送るときは、静かで穏やかに一つの行動を具体的に落ち着いて伝えます。指示が通らない時には、「〇分後に」「あと何回で」と予告を入れて行動を切り替えるための準備期間を与えると良いでしょう。

⑥選ばせる

第6回目のセッションは、「選ばせる」です。子どもに選択肢を与え、選ばせることで主体性ややる気を引き出します。

例えば、「洗濯物をタンスにしまうのと、お部屋のお片付けどっちからする?」「宿題を始める時間はパパが決めた方がいい?それとも自分で決める?」というように、好ましい行動自体はやる前提で子どもにどちらかを選んでもらう形にしてみると良いでしょう。

「どっちも嫌だ!」と子どもが言う場合には、「じゃあママが〇〇をするから、あなたは××をするのはどう?」と負担を減らしたり、協力しながら取り組んだりするのも効果的です。

これでも子どもが行動に移そうとしない場合は、その選択肢が本人には難しい場合や保護者への強い甘えがある場合が想定されます。選択肢が本人にとって難しい場合には、本人でも取り組めるレベルに好ましい行動を選びなおしましょう。保護者への強い甘えがある場合には、一度ペアレント・トレーニングは考えずに、親子の楽しい時間を過ごすことに専念してみましょう。

⑦チャートを作る

第7回のセッションは、「チャートを作る」です。「〇〇くんのシールゲット表」のように、好ましい行動を書き出した表を作ります。いくつか好ましい行動を達成できたら、特典(トークン)を与えるよう約束します。

ここでポイントなのが、チャートに書き出した行動の内、半分は本人が既にできていることを含めるということです。

これは、既にできている行動で褒められる機会を担保しておき、努力次第で達成できる好ましい行動のモチベーションにすることが狙いです。

子どもに作成した表を見せ、本人の意見も問い入れてリストを修正しましょう。この表に書かれている目標が達成できたらシールを貼り、②のセッションで学んだ”褒める”を与えましょう。

また、特典(トークン)はおもちゃや食べ物といった”もの”ではなく、親子で出掛けるといった”機会”である方が良いです。なぜなら、”もの”だとより高価な商品やプレゼントを求めるリスクがあり、その”もの”をもらうことが目的となってしまいやすいからです。

あくまで特典はゴールを分かりやすくしたものであり、目標達成に向けて親子で頑張ること、達成した時に褒めることが目的なのです。

⑧制限する

第8回のセッションは、「制限する」です。制限とは、してはいけない行動をしたとき、しなければいけない行動をしたときに責任を取らせるため、警告やペナルティによって時間を区切って一時的に子どもの自由を奪うことを指します。

例えば、「家の中でボール遊びをするなら、5分間取り上げます」「6時までにテレビを消さないと、ゲームの時間を10分減らします」などが挙げられます。

一定期間、子どもにとっての好ましい刺激を取り去ることをタイムアウト法といい、”制限する”の考えに則った対策法です。気持ちが不安定になってどうしようもないときに別室で気持ちを切り替えるとき等に使ったります。

⑨連携をする

第9回目のセッションは、「連携をする」です。連携とは、互いに連絡をとりながら物事を行なうことです。つまり、保護者と幼稚園・保育園、学校、病院、相談機関、療育期間などの外部機関で居力しながら対応に当たることを言います。

保護者と教師が子どもの情報を共有して共通の対応ができることが理想です。

もし保護者と教師だけの連携でうまくいかない時は、園や学校以外の機関との連携を検討するのも良いでしょう。

⑩まとめ

第10回のセッションは、「まとめ」です。これまでのペアレント・トレーニングのセッション全体を振り返ります。

これまでのペアレント・トレーニングを通しての質疑応答や感想などを発表します。最後はリーダーが総括をし、まとめの挨拶をします。場合によっては、修了式や修了パーティを実施することもあります。

まとめ

本日は、【分かりやすく解説】ペアレント・トレーニングって何をするの?についてお話しました。ペアレント・トレーニングでは、子どもの対応の仕方の確認・実践・反省(振り返り)を通して、保護者が少しずつ子どもへの対応を学んでいきます。また、ペアレント・トレーニングの良いところは、その過程を同じ悩みを抱えた仲間(保護者)と一緒に進めていける点です。失敗したら、いつでもやり直せばいいので、相談しながら少しずつ進めていきましょう。

実際にペアレント・トレーニングを行っている機関を探すときには、同じ悩みを抱える保護者やかかりつけの小児科、自治体の福祉担当窓口にたずねてみましょう。大学病院や小児精神科など医療機関や学校の特別支援学級、地域の教育センター、地域療育センターや子ども支援センターなどの療育期間、家族会や発達障害関連の協会など関連機関へ問い合わせたり、インターネットで情報を集めたりするのも良いでしょう。

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本日のお話は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございます。

今日も素敵な1日をお過ごしください。池さんでした(#^^#)

ではまた明日お会いしましょう😊

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