【現役心理士が語る】発達障害(ASDとADHD)の特徴を徹底解説!

こんにちは~池さんです(#^^#)

さて、今日のテーマはこちら

【現役心理士が語る】発達障害(ASDとADHD)の特徴を徹底解説!

「発達障害」「アスペルガー」「ADHD」などの言葉は広く一般的に認知されてきていると感じます。

教育でも、近年は特別支援教育に力を入れているため、発達障害の特性を持つ子供たちへの配慮は年々手厚くなっています。

それでも、まだまだ発達障害を持っている人の多くは、世の中が生きにくいと感じていると思います。

その一因には、「発達障害への偏見や誤った知識」があると思います。臨床心理士として働いていると、だいぶ発達障害を身近に感じますが、このような職業に就いていなかったら、私自身も発達障害に関して正しく理解していたかと言われると自信がありません。

したがって、今回は発達障害の概要をお伝えし、正しい知識を提供したいと思います😊

この記事では、発達障害について以下の手順で解説していきます。

・発達障害の定義を確認!
・自閉スペクトラム症(ASD)とは?3つの特徴について徹底解説!
・注意欠陥・多動症(ADHD)とは?3つの特徴について徹底解説!
・まとめ

発達障害(ASD、ADHD)とは?

まずはじめに、発達障害の定義から確認していきましょう。

発達障害とは、「生まれつき脳機能の発達に偏りがあり、日常生活に困難をきたしているもの」です。

通常、12歳以下(広義には18歳以下)でその症状が見られ、社会生活に何らかの支障をきたしている状態のことを指します。

したがって、症状が幼少期から続いているのであれば、成人後も診断名がつけられることがあります。大人の発達障害が広く知られたのも、この診断基準によるものでしょう。

今回は主な発達障害である「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠陥・多動症(ADHD)」についてお話したいと思います(一般的には、自閉スペクトラム症は「自閉症スペクトラム障害」、注意欠陥・多動症は「注意欠陥多動性障害」で認識されていることが多いです。メンタルヘルスに関する精神疾患の診断基準にも使われている精神障害の診断・統計マニュアル【DSM】では、改訂する中で正式名称が変わることがあるため、色々な呼称があります)。

どちらも見た目では障害が分かりにくく、「変な子」「変わった子」と誤解されることが多々あります。当の本人たちにとって普通の感覚が周りに理解されず、とても苦しんでいるのが現状です。

その誤解を減らすためにも、正しい障害の知識を身に付けることが大切です☺

発達障害については以下の記事もご参照ください。

ご案内

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害とも呼ばれます)は、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気です。

引用先:MSDマニュアル

上記でも述べられている通り、自閉症スペクトラム症は「想像性」「社会性」「コミュニケーション」という3つの障害が軸になっています。

これら3つの特徴を持つ人もいれば、どれか1つの特徴が極端に強い人もいます。スペクトラムという概念が、「連続性」を意味しており、簡単に言うと、色のグラデーションのように、障害にも強弱があるということが示されています。

では、それぞれの特徴について1つずつ解説していきましょう。

想像性の障害

1つ目の想像性の障害とは、”思考を柔軟に切り替えて物事を捉えることの難しさ”と、”変化に対する多面的な視点を持つ困難さ”を指します。

人は文脈や状況の流れなどから様々な推測をして環境に適応していきます。

しかし、世の中には変化を極端に嫌い、ある一定の方法や見方にこだわりを持って臨機応変に対応しづらい人がいます。

例えば、いつも同じ手順で朝の支度をし、同じルートを通って出勤し、マニュアル通りに仕事をする・・・どこかいつもと違うところがあれば酷く混乱してストレスを感じるといったことです。

また、相手の気持ちや心情に思いをはせることや、相手の立場に立って物事を考えることが苦手な人もいます。

中には、場の空気が読めなくて失敗したり、意図をくみ取りにくかったりする等の特徴も、この想像性の障害に当てはまります。

社会性の障害

2つ目の社会性の障害とは、”他人への関心が薄く、情緒的な交流を求めなかったり逆に極端に近づいてしつこかったり相手との適切な距離感が上手に取れない”ことを指します

人よりモノへの関心が強い人が多く、電車や生き物、地図や国旗など不変なものに強い関心を持つことがあり、逆に同年齢の流行りに全く関心を示さなかったりします。

人との交流の中で自然と身に付く社会性が得にくく、相手との親密な関係性が築きにくいのが特徴です 💡

この特徴が乳幼児期から見られると、母親と目線を合わせようとしなかったり、名前を呼ばれても反応しなかったり、相手の表情や態度に関心がなかったりするため、初期の対人交流の基礎ができにくい場合があります。

その頃のつまづきが、後々他者との距離感にも影響し、初めて会ったのに馴れ馴れしかったり、目上の人に敬語が使えなかったりして、信頼関係がうまく築けない要因になるのです。

コミュニケーションの障害

3つ目の、コミュニケーションの障害とは、”話し方が単調で言葉の使い方が独特だったり、一方的に自分の好きな話を相手の顔色を気にせず話したり、冗談が通じず内容の本質を捉えるのが難しい”ことを指します。

言葉を字義通りに捉えたり、抑揚のない話し方をしたりして円滑な会話ややり取りが成立しづらいことがあります。

本人はその違和感やズレに気づきにくいため、急に相手の態度が変わるなどして当惑することが度々あります 💡

1つ目の想像性の障害と関連して、相手の表情や態度から相手の心情を読み取ることが苦手なことに加え、自分の行動が相手にどう捉えられているか感じ取ることが難しいので、結果的にコミュニケーション不全に陥ります。

決して本人は悪気があって上記のような態度を取っているのではなく、「相手の立場に立って物事を考えることが生まれながらに難しい」のです。

なので、「いやいや、ちゃんと俺の話も聞けよ」とか「何よ~ジョークも通じないの?」と言うのは、自閉スペクトラム症の人にとって耳が痛いのです。

注意欠陥・多動症(ADHD)

それでは、続いて注意欠陥・多動症(ADHD)について解説していきます。

注意欠如・多動症(注意欠陥/多動性障害とも呼ばれます)(ADHD)は、注意力が乏しいか注意の持続時間が短い状態、年齢不相応の過剰な活動性や衝動性のため機能や発達が妨げられている状態、あるいはこれら両方に該当する状態です。

引用先:MSDマニュアル

上記の定義でも触れられていた通り、注意欠陥・多動症は「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの問題が軸となっています。

ADHDもASDと同様に、これら3つの特徴を同じように持つ人もいれば、どれかの特徴が著しく強いため、生活上の困難感が強い人もいます。一般的には、多動性や衝動性などは発育とともに目立たなくなってくることが多いです。

では、それぞれの特徴について1つずつ解説していきましょう。

不注意

1つ目の「不注意」の問題とは、”集中力が切れやすい、忘れ物や失くしものが頻発する、課題を最後まで根詰めてこなすことが難しい”などが挙げられます。

一方で、1つのことに没頭した時の集中力は尋常ではなく、周りがどれだけ声をかけても気づかないほどだと言います。

要は、注意力や集中力をコントロールする力が上手く働いていない状態のことだと言えば分かりやすいでしょうか 💡

子どもだと、聞き間違えや聞き返しが多かったり、ケアレスミスでテストの点数を落としたりすることが多いですが、大人だと、スケジュール管理がうまくできなかったり、書類の整理整頓ができずにどんどん溜まっていく等の特徴が見られるでしょう。

貴重品を失くしたり落としたりするのが心配で、忘れ物防止タグを貼る、そもそも持ち歩かない、人に預ける等の対処法を取る人もいますね。

他人からしたら、「もうちょっと気を付けようぜ」「何度言ったら分かるんだよ」と思うことでも、本人にとっては変えたくても変えられない特性なのです。

多動性

2つ目の「多動性」の問題とは、”その場でじっとしていられない、会話が二転三転しやすい、ずっと喋ったり作業したりして落ち着きがない”などが挙げられます。

体の一部または全体を頻回に動かすことで脳を活性化し、むしろ集中する姿勢を取っていると言われており、貧乏ゆすりやペン回しなど周りから見て「せわしない行動」がと見られますが、実は「脳の鎮静剤」として働いていることもあります。

ただ、自分では中々コントロールしづらいので、周りから迷惑がられることもしばしばあります 💡

頭の中が、刺激の処理でいっぱいいっぱいになっているので、口や手足を動かすことで同時に処理を分散させているとも言えるでしょう。

注意欠陥・多動症の人は、周りの情報の取捨選択がうまくないので、どの情報にも飛びつくという厄介な特徴があるのです。

衝動性

3つ目の「衝動性」の問題とは、”出し抜けに答える、考えがまとまる前に体が動いてしまう”などが挙げられます。

後先考えずに行動するため、失敗したり間違えたりすることが多いのが特徴です。

ブレーキが利く前に発信する車のように、突発的な行動は周りにとって驚かれることが多いと思います。時には本当に物理的被害を受ける・与えることもあるので、気を付ける必要があります 💡

相手の話が最後まで聞けなかったり、途中で相手の話を遮って自分が話し始めたりすることもあるでしょう。

これらの言動が時には対人トラブルを起こすこともありますが、本人たちも分かっていながらセーブが効かないのです。

まとめ

今回は、【現役心理士が語る】発達障害(ASDとADHD)の特徴を徹底解説!についてお話をしました。

その中でも代表的な2つの発達障害である「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠陥・多動症(ADHD)」にポイントを絞ってお伝えしました。

それぞれの特徴を簡単にまとめると、以下のようになります。

自閉スペクトラム症(ASD)の3つの特徴
・想像性の障害:思考を柔軟に切り替えて物事を捉えることの難しさ”と、”変化に対する多面的な視点を持つ困難さ
・社会性の障害:他人への関心が薄く、情緒的な交流を求めなかったり逆に極端に近づいてしつこかったり相手との適切な距離感が上手に取れない
・コミュニケーションの障害:話し方が単調で言葉の使い方が独特だったり、一方的に自分の好きな話を相手の顔色を気にせず話したり、冗談が通じず内容の本質を捉えるのが難しい
注意欠陥・多動症(ADHD)の3つの特徴
・不注意:集中力が切れやすい、忘れ物や失くしものが頻発する、課題を最後まで根詰めてこなすことが難しい
・多動性:その場でじっとしていられない、会話が二転三転しやすい、ずっと喋ったり作業したりして落ち着きがない
・衝動性:出し抜けに答える、考えがまとまる前に体が動いてしまう

これらの発達障害を抱える人たちは、小さい頃から集団生活の中で目立った行動をしてしまい、周りの友達や大人からしばしば白い目で見られることも多く、それに苦しみながら大きくなっていくことも珍しくありません。

やっとこうして世間で注目されるようになり、理解が進んできたので少しは生きやすい環境へと変化してきたとはいえ、まだまだ発展途上です。

ここでは十分にお伝えできなかった発達障害のリアルについては、また後日記事にしたいと思います。

また、問題だらけに見える発達障害の別の見方として、発達の偏りとしての凸の部分、つまり「才能」「秀でた能力」について以下の記事で詳細に解説しているので、ご参照ください。

【現役心理士が語る】発達障害(ASDとADHD)の3つの長所
こんにちは~池さんです(#^^#) 今日のテーマはこちら! 【現役心理士が語る】発達障害(ASDとADHD)の3つの長所 前回は発達障害(ASD:自閉症スペクトラム障害とADHD:注意欠陥多動性障害)についての基礎知識をお伝えしたので、本日...

 

では、本日のお話は以上になります。

本日も良い1日をお過ごしください。

では、またお会いしましょう😊池さんでした(#^^#)

コメント

タイトルとURLをコピーしました